ヤモイモ母です。昨日帰国しました。
帰ってみると、トカさんの亡骸は夫によって庭に埋葬された後でした。
白い貝殻の下にトカさんが埋まっています。
石垣の間に、南イタリアでトカさんのために買った天使のタイルを埋め込みました。
この庭に住むトカゲたちは、毎年この石垣の間で冬眠するのです。
これならトカさんの親兄弟も墓参りに訪れられるでしょう。
天使のタイルの裏側には、トカさんの名前に加えて、ちゃんとした名前を持たないまま死んだ子ヤモ2匹(2013年6月、2018年1月)と、子イモ1匹(2018年7月)のことが、それと分かるように書いてあります。
これはみんなの慰霊碑でもあるのです。
ただの自己満足だと思われるかもしれませんが、お葬式やお墓は生きている者たちのためにあるものだと考えています。
トカさんのお墓に手を合わせて家に入ろうとしたまさにその時、家の中に珍客が文字通り飛び込んできました。
生まれたばかりのヤモリの赤ちゃんです。
私の頭を飛び越えるようにして家の中に入ってきました。
庭には野良ヤモリがたくさんいますが、自分から部屋に飛び込んで来るなんて初めてです。
床に着地したところに手を被せます。
赤ちゃんヤモリはご先祖さまからの教え(DNAとも言う)に忠実です。
「危ない目にあった時は、暗くて狭いところに逃げ込むねんで!」
その教え通り、手を被せると、手の中のスペースの狭いところへ狭いところへと移動して行くので、わら半紙の上へ手で誘導して、あっと言う間に捕まえました。
どうして我が家に入って来たのでしょう?
お母さんは、夏に窓際で見かけたあの若いメスヤモリでしょうか?
「お腹が空いたら、あのおばちゃんのとこ行って、なんかもらいー!」
…とでも言われてるのでしょうか?
この子がもしトカさんの生まれ変わりであるならば、今生は広い世の中で自由に生きた方が絶対にいいと思うので、一晩夕飯をご馳走して、また庭に放しました。
頑張って大きくなれよ!
いつものようにオハヨウを言って、その数時間後にトカさんは帰らぬトカゲになったそうです。
皆さん、どうか、トカさんの存在を覚えていてください。